神殿の再建は信仰の証し

メッセージ

<ネヘミヤ書 1章1~11節>
牧師:徳本 篤

今日のみことば

わたしはこの岩の上にわたしの 教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。

<マタイの福音書16章18節>

メッセージ内容

序論)

「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。」
(マタイ16:18)

キリストがこの世に来られた最大の目的はご自分の上に教会を建てることでした。教会が建たなければ十字架も復活もキリストのひとり芝居のようになります。キリストを信じて救われた私たちもキリストの身体である教会に所属し、教会とともに歩むことでなければ自分だけの小さな幸せを楽しむただのひとりよがりな信仰になります。
キリストの教会は建物ではありません。教派や伝統を引き継ぐだけの集団ではありません。十字架で死んでよみがえられたキリストをこの世にあかしする集団のことです。この人々は聖書のみことばを信じ、多くの失敗を重ねながらも何とかキリストの教会にふさわしく生きることを願う人々の群れです。
ネヘミヤは希望を失い、やる気をなくした人々を励まし、彼らとともに見事に神殿を再建し、神の民としての生き方を復活させた人物です。

本論)
ネヘミヤの時代とはこの書の記録によると、ペルシャの王アルタシャスタⅠ世の在位20年目というのでBC445年のことです。ネヘミヤの立場はアルタシャスタ王の献酌官でした。献酌官のほとんどが去勢手術を受けた宦官でした。ネヘミヤは王の食事の毒味役であり、王の身近なところで仕える最も信頼できる相談相手でありました。
ネヘミヤの親類の多くはペルシャ王クロスの解放令が発令されたBC516年以降にイスラエルに帰還していました。この親類の者たちがネヘミヤを訪ねて来た時に、彼らからエルサレムの神殿について詳しい状況を聞きました。それによるとエルサレムの神殿はBC586年にバビロンによって完全に崩壊された時からいまだに放置されたままの状態だということでした。当時のイスラエル人はそれを再建できるような状況ではありませんでした。周囲の諸民族から厳しい妨害を受け、また、イスラエル人の内にも神殿を建てようとする思いも、立ち上がってそれに取り込もうとする気力もなくしていたからです。 
今日の聖書の個所でネヘミヤが泣きながら嘆いて祈った理由とは何だったのでしょうか。

  1. 自分たちの悲惨な状況を情けなく思って嘆いたのだろうか。
  2. 自分たちが神殿の建設のために立ちあがろうとしない不信仰を嘆いたのだろうか。
  3. 自分たちが神に見捨てられたと思ってそのことを嘆いたのでしょうか。

あなたがネヘミヤになった気持ちで、彼が何について嘆いていたのかをじっくり観察してみましょう。ヒントはネヘミヤが祈りの中でとくに申命記のみことばを多く引用していることです。
申命記04:25~31、30:01~07、09:29

聖書のことばが自分たちの間で成就されること、それが神の民イスラエルが求めたあかしです。従って、現実の生活の中でいまだに聖書のみことばが成就されていないことの嘆きが、ネヘミヤを切実な思いにさせ、神に必死に祈り願う動機へと結びついたようです。

適用)
神を信じれば自動的にバラ色の人生が送れるというものではなく、クリスチャンといえども日常的には様々な苦しい場面に直面します。そんな時、私たちはともすれば、現実の困難な目をそらして、安易に天国を思うような信仰の世界に逃げ込んでしまうような誘惑に駆られることがあります。けれども、現実の人生はそのような綺麗ごとでは済まされないのです。いつも感謝できていないとき、どんなことでも賛美できるような気持になれないとき、信仰を持って祈れないときもあります。時には神に対して嘆くような思いをぶつけることすらあります。
皆さんに知っていただきたい。神はうわべだけ綺麗な祈りより、人の心の底から湧き出てくるような真実の叫びを、知りたい、聞きたいと願っておられるのです。絶望したときはその絶望感を、苦しみの中にある時はその痛む気持ちを、率直に注ぎ出すべきです。そのような祈りにおいてこそ、口先だけの気休めではない、神との交わりによる深く静かな希望を与えられるのです。

聖書のことばがあかしするようにイエスは三日目に死者の中からよみがえられました。十字架の後には復活があるように、たしかに、今の絶望的な状況はやがて神によって変えられるという希望を持つことは大切です。しかし同時に忘れてはならないのは、まだ解決の時が訪れていないとき、夜が明けていない真っ暗闇の状況の中においても、神は決して私たちを見捨てたりなさらないということです。
私たちがどんな暗やみの中においても、絶望的な苦しみの中にあっても、キリストは私たちとともにいてくださいます。復活された方はいまも生きておられます。神が私たちの祈りを聞いておられないように思える時も、御顔を隠しておられるように感じられる時も、キリストは目で直接に見ることはできませんが私たちのすぐ傍におられます。いま私たちが直面している問題に、すぐに解決は与えられないかも知れません。なぜなのか、すぐに祈りが応えられないことがあるかも知れません。けれども、私たちはそれでも聖書のみことばを握りしめて神を信じて祈り続ける必要があります。

神はご自分の神殿であるキリストの教会を必ず何度でも再建させてくださいます。教会はイエスキリストという永久の岩の上に、今も、この後も、永遠に立ち続けていくのです。あなたが岩を支えているのではありません。岩があなたを支えているのです。岩の上にしっかり立ち続けていましょう。

メッセージ内容のダウンロード(PDF15KB)

新聖歌

開会祈祷後:137番、メッセージ前:211番、メッセージ後:145番

お知らせ

★本日の礼拝後すぐに移動して12時30分~13時00分服部霊園において合同記念会(墓前礼拝)を行います。
★4月度の聖餐式は次週10日の礼拝後に延期しました。
★S.I様(Y.I姉の弟さん)から献金が届きました。ご遺族の方々の慰めのためにお祈りしましょう。
★T.N姉は3月28日に退院されました。今後の療養生活が守られるようお祈りしましょう。

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