預言された解放の日の実現

メッセージ

<ネヘミヤ記 2章1~20節>
牧師:徳本 篤

今日のみことば

主はこう仰せられる。「バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。

<エレミヤ書29章10節>

メッセージ内容

序論)
私たちは律法学者のように聖書の預言のことばを隅々まで調べて、約束の数々を発見しては大いに喜ぶけれど、その後は、ただそれが自動的に実現することを待っているだけで、自分たちの生き方を変えようとも、考え方を変えようとも、行動を変えようともせずに、その日のために何の準備もしようとしないなら、私たちは一体どうなるのか考えたことがあるでしょうか。
その答えが70年間廃墟のまま、火で焼かれたままに放置されていた神殿の姿にあります。今日の聖書の個所ではネヘミヤがそのことをとても嘆いていたと書かれています。

本論)
第一の行動、ネヘミヤが現状を嘆いた理由
ローマ12章5節でパウロは「泣く者と共に泣きなさい」と言っています。しかし、多くのクリスチャンは、泣く者を見つけると、その人とともに悲しむという行動を経ないで、一足飛びに「泣いてはいけない。信仰を持ちなさい。疑ってはいけない。」と積極的なことばをかけて励まそうとします。それがクリスチャンとしての善意から出たことであるとしても、注意しないと、そこにあるのは上面だけの信仰のあり方、安っぽい勝利主義的な信仰に導いていく可能性があります。

クリスチャンの信仰にとって重要なことは、心の中の嘆きや悲しみをおおい隠し、敬虔そうな顔をして神を賛美することではなく、現実の困難さや厳しさ、苦しみの中で「主よ、私たちはいつまでこのままなのですか?」という、嘆きや、叫びの声が祈りとなり、賛美となって変化していくという、たましいの変革を体験することではないでしょうか。そのためには、自分の心の内にある嘆きの声を押し殺さないことが大切です。ネヘミヤはその嘆きと、たましいの叫びを神に聞いていただきました。あなたの叫びは聞いてくださるでしょうか。

第二の行動、ネヘミヤの神殿再建の動機

「良い知らせを伝える者の足は山々の上にあって、なんと美しいことよ。平和を告げ知らせ、幸いな良い知らせを伝え、救いを告げ知らせ、『あなたの神が王となる。』とシオンに言う者の足は。」(イザヤ52:7)

イザヤ書では神がイスラエルの王となられるということと、イスラエルがバビロンの捕囚から解放されるという良い知らせの出来事とが同時進行するものとして語られています。神が王となられた結果として、イスラエルに平和(シャローム)が実現するということもその関係のなかで語られています。来るべきメシヤは「平和の君」と呼ばれるお方です、平和の君によって最終的で完全な平和が実現されるのです。

さて、ネヘミヤは何のためにエルサレムの城壁を修復し、神殿の再建を願っているのでしょうか。その場所がメシヤ王の玉座となる場所だからです。神に選ばれた民、神に愛されている民、神の約束を信じている者として、やがて王が来られるその日のために備えをして、心から王を迎えたいと考えていたからです。

第三の行動、ネヘミヤの新しい目標
エペソ4章24節でパウロは、キリストにあって、ユダヤ人と異邦人が和解して一つの神の民となることができると教えました。それをパウロは「ひとりの新しい人」と呼びました。それはただ単にユダヤ人と異邦人とが仲良くするということではありません。勿論のこと、ユダヤ人が異邦人のようになることではなく、その逆でもありません。キリストにある者は、ユダヤ人も異邦人も互いの違いを超越した「新しい人」としての新しいアイデンティティを与えられました。それだけではありません。そのようにして一つとされた神の民は、さらに神ご自身との和解による深い交わりに入れられるのです。死んでよみがえられたキリストが王として治められるところに、まことの平和が実現するのです。

適用と応答)
今日の聖書の真理の適用と応答として、神がネヘミヤの祈りと願いを聞いてくださった結果として、神がペルシャの王アルタシャスタ2世の心を動かされたという事実に注目しましょう。

ペルシャの王であるアルタシャスタ王はユダヤ人ではありません。ユダヤ人と同じ神を信じる人ではありませんでした。しかし、この王は神を恐れるネヘミヤを心から尊敬し、信頼していました。ですからネヘミヤのために協力を惜しまなかったことが記録されています。クリスチャンはクリスチャンとの関係を最優先して、クリスチャンでない人々のことに関心を示さなかった従来のあり方について考え方が変わる出来事でした。神とネヘミヤとの信頼関係はただそれだけにとどまらず、ネヘミヤとアルタシャスタ王との信頼関係とも、まるでひとつの輪のようにつながっていた、そのところに神が働かれたというのが事実でした。

私たちは教会員との間に、友人や職場の仲間との間に、親戚の人々との間に、近所住民との間に、信頼関係が壊れたまま放置されていることはないでしょうか。その有様は、まるで廃墟のまま、火で焼かれたまま放置されていた神殿のようだと気づきましたか。

いつの間にか嘆くことさえ忘れていたことを今日思い出したなら、そのことを神に報告して聞いていただきましょう。神が私たちの心だけでなく、相手の人の心にも働いてくださることを信じて祈り願いましょう。先週に続いてもう一度言います。神殿の再建は私たちの信仰が生きているあかしです。

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新聖歌

開会祈祷後:141番、メッセージ前:252番、メッセージ後:143番

お知らせ

★本日礼拝後に聖餐式を行います。
★4月3日(日)午後にS.Y姉から林檎とオレンジの献品が届きました。山崎姉は視覚と聴覚の不便な中で日々過ごされています。
★4月12日(火)に「オリーブ会」を行います。
★4月13日(水)に「おしゃべりティータイム」を行います。

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