なお、礼拝中のマスク着用は引き続き推奨、「平和の挨拶」の握手の自粛は今後も実施しますので、ご理解とご協力を宜しくお願いいたします。
メッセージ
<創世記 16章1~16節>
信徒:K
開会聖句
御父は、私たちを暗闇の力から救い出して、愛する御子のご支配の中に移してくださいました。
<コロサイ人への手紙 1章13節>
メッセージ内容
Youtube動画
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メッセージ原稿を公開しました。掲載が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。8/2
はじめに
イシマエル。私がこの名前をはじめて聞いたのは、「米文学」のクラスで、「白鯨」という小説を紹介された時でした。グレゴリーペック主演で映画化されました。巨大な白鯨に片方の膝下の足をもぎ取られた捕鯨船の義足の船長が、その復讐のために乗組員を募り、航海に出ます。両者は出会い、鯨と乗組員たちはすさまじい格闘をくり拡げますが、船長は死に、乗組員たちもすべて海の藻屑になってしまいます。この話は、その時のたった1人の生き残りの証言者が語るという設定で始まり、その冒頭の一節が「call me Ishimael」(イシマエルと呼んで)です。アメリカの小説には聖書の人物の名がよく使われ、日本人にはわからないけど、アメリカ人にはピンとくる印象があるのだということでした。船長はエイハブ(アハブ)。
皆さんは、「イシマエル」という名にどんな印象をお持ちですか。サラの勝手な都合で生まれ、やがて追い払われる不幸な星の下に生まれた子?そうでしょうか。今日の主題は「イシマエルの存在」。それは、私たちに何を教えてくれるでしょうか。考えたいと思います。
Ⅰ.サラの待つ思い
1~2節。往々にして、神さまと素晴らしい体験をした後で、人は失敗をすることが多いです。ダビデしかり、アブラハムしかり。ここでは、アブラハムはエデンのアダムのように、サラにそそのかされ、阻止しませんでした。アブラハム自身もそれもいいかもと、サラの人間の考える計画に乗ってしまったからです。これは、イシマエルという火種を残すことになりました。夫婦関係は険悪となり、彼自身が跡継ぎ問題で非常に苦しむことになりました。サラは焦ってました。しかし、それは想像以上の待つという苦しみであったからだと思うのです。
アブラハムが登場する最初の場面で、すでに「不妊の女であった。」と紹介されています。それがサラの自覚だったでしょう。ところが、夫に「子孫を与える」という神の約束が与えられた。その時から、神さまのその約束(彼女自身は聞いていない)に、かすかかもしれないが、期待をもって過ごしてきたのではないでしょうか。「寝た子を起こす」ということばがありますが、月日が過ぎるに従い、その小さな期待が、重荷になっていったと想像できます。そんな夢みたいな話、馬鹿みたい、聞かなければよかった、信じなければよかったと。今は不妊治療が大変進歩しましたが、そのことでかえって苦しむ方は多くいます。アブラハムも、15章で、自分の跡継ぎは家のしもべだと覚悟を決めていました。そしたら、神さまは、もう一回、約束をはっきりしてくださった。星を見せて。夫婦はしぼんだ期待を再び膨らませたでしょう。しかし、また年月が経過し、サラ自身は肉体の限界も感じていたかもしれません。そこで、彼女は大きな覚悟をしたんだと思います。夫が実子を得るために。
彼女は夫に、自分の女奴隷ハガルによって子を得るという代理母の計画を提案します。それは当時の習慣であったと言え、サラにとって気分のいいことではないはずです。しかし、ファラオの時もそうでしたが、彼女はここでも、夫のために自分の思いを犠牲にしようと思ったと思います。読み落としがなければ、約束の子孫はサラの生んだ子とは言われていないと思います。サラ自身の子が約束の跡継ぎと指定されるのは、この13年後です。この時点で、「…主は私が子を産めないようにしておられます。…」それなら、代理母でもいいじゃないかと考えても責められないな、不妊という現実は相当なストレスだったと同情します。サラの行動は、確かに人間的知恵に頼ってはいけないという例で、ハガルも巻き込み、周囲に苦しみ広げました。それはやまやまですが、もう少し読みすすめます。
Ⅱ.神が待つ思い
3~4節。こうして、若い女奴隷ハガルは妊娠します。そしたら、ハガルが主人のサラを見下すようになります。しばらくは我慢していたサラも遂に切れてしまい、夫に責任転嫁をします。アブラハムはその勢いにタジタジで、「好きなようにせ」と逃げ腰だったので、何の保護もなくなった身重のハガルは、益々きつくなった女主人のいじめにさらされます。ハガルはおそらく、ファラオの件で得た女奴隷で、羊、牛と同じ物扱い。それが妻という地位を与えられ、妊娠によって、一気に立場が逆転して、分を超えた態度を取ってしまったのでしょう。若気の至りですね。彼女は耐えかねて、身重の身体で、荒野に逃げました。
7節。神さまは荒野の泉のほとりにいるハガルに目を留められました。主の使いは事情を聞き、9節「あなたの女主人のところに帰り、身を低くし…。」と忠告しただけでなく、あなたの子孫は増えるという神の祝福を告げます。次にその出産を約束し、生まれる子の名前まで告げられる。イシマエルは「神は聞く」という意味。ハガルは語って下さった神を「エル・ロイ」と呼びます。「私を見て下さる神」の意。神はこの行き場のない親子を保護されました。彼はやがてアラブ人の祖となります。アブラハム宗教ということばがあります。アブラハムを信仰の父とするイスラム教、ユダヤ教、キリスト教の3つの宗教のことです。12節の一風変わった祝福は、彼が何かトラブルメーカーになりそうな人物のように書かれていますが、これはその当時のことだと考えることがいいと思います。この中東の歴史には、この3者は長く友好的に共存していたという証言があるからです。こうして、神さまの恵の計らいによって、彼女はサラの元に返り、無事出産をし、イシマエルが生まれました。
最後の15,16節「ハガルは男の子を産んだ。…」にどんな光景が思い浮かびますか。私には幸せそうな家族の姿が浮かびます。イシマエルを囲んで、実子を得たアブラハム、自分が産んだ子ではないけど母となれたサラ、わきまえのある奴隷に成長したハガルが穏やかに暮らしている。サラに子が産まれるまでの10年以上、この家族はこの現状に満足して暮らしたのではないでしょうか。神さまはと言えば、勝手なことをして、面倒なことをしてとかでなく、跡継ぎを得て喜んでいる姿を見ながら、わたしの約束は、あなたたちの思いをはるかに越えてもっと素晴らしいことだ、あっと驚くことだから楽しみにという気持ちで、時が来るのを待っておられるように思います。神さまに信頼することのできない人間は、自ら問題を引き起こしてばかりですが、あたたかなまなざしがあると思います。イシマエルは居なかった方がよかった不幸な存在とは思いません。神さまはアブラハムは祝福となるという約束のゆえに、ハガルもイシマエルも大切な存在として扱われました。
終わりに
開会聖句はコロサイ人への手紙1:13
「御父は,私たちを暗闇の力から救い出して,愛する御子のご支配の中に移して下さいました。」
開会聖句にするのは2度目です。前回、暗闇の力とは「人の支配」で、救いとは「神(愛する御子)のご支配」に移されることと説明しました。旧約時代のユダヤ人にとって、救いとは出エジプトみたいな外国の圧政からの開放でした。それがメシアへの期待でした。しかし、イエスさまはメシアでしたが、ローマを倒すことはされなかった。イエスさまは、人間社会にある権力や支配によって人を苦しめる暗闇の力から、人間を解放しようとされたからです。「愛する御子の支配」とは、神さまがハガルやイシマエルにそうであったように、弱い立場の人々も大切にされる世界です。同時に、支配する側も、自分のために権力をふりかざすことで幸せになれるという思い込みから解放し、神を信頼し、与えられた権力を正しく使うことで、多くの人たちが幸せをもたらす世界です。
しかし、そんな日は本当に来るのでしょうか。少し前の朝ドラの主題歌ですが、「日に日に世界が悪くなる。気のせいか、そうじゃない。」多くの人が共感されたようで、社会は進歩したのに、世界がよくなったという実感は感じられないんだなと思いました。しかし、そういう沈みがちな心にみことばは語りかけます。よきおとずれのメッセージ「夜昼、寝たり起きたりしているうちに」はマルコ4章の神の国のたとえです。この神の国とは、「愛する御子が支配される国」のこと。その神の国はどのように大きくなるのですかという問いに対して、イエスさまは当時の主流の仕事、農夫のたとえで説明されました。朝起きて、種を蒔き、夜寝るを繰り返す間に、地がその種を育て、収穫するまでに成長する。そのようなものだと。今の私たちなら、神を信頼してはじめる日常の繰り返し、神のみことばに教えられて歩む一日一日が行われているなら、この地上で、神が愛する御子の支配を完成してくださるということでしょう。アブラハム、サラ、ハガルのように欠けの多い者ですが、神さまは見捨てることなく、ご自分のわざのために用いてくださることを覚えて、この週も歩みましょう。
新聖歌
開会祈祷後:新聖歌103番、メッセージ後:新聖歌202番
聖書交読
詩編 27篇 1~7節
2026年教会行事
7月29日(水)オリーブ・いきいき百歳体操 10時~11時
#58-3035
One comment to this article
mb-senri_web
on 2026年8月2日 at 1:13 AM -
メッセージの中に引用されていた歌詞は、連続テレビ小説「ばけばけ」の主題歌の「笑ったり転んだり」から。
ハンバート・ハンバートのお二人の楽曲を聞いてみたい方はこちらからどうぞ。
https://youtu.be/1_P2MT39VJ0