主の憐みが人を活かす

メッセージ

<マルコ 5章1~20節>
牧師:徳本 篤

今日のみことば

神は、このあわれみの器として、私たちを、ユダヤ人の中からだけでなく、異邦人の中からも召してくださったのです。

<ローマ 9章24節>

メッセージ内容

序論)
出荷される時の豚の体重は100~120キロほどにもなります。このような豚が何かに驚かされて興奮した状態になり猛烈な勢いで突進してきたなら、われわれは身を避けるのが精一杯で、誰も止めることができません。もし一度に2000匹の豚がそのような状態で突進してきたならどうしょうか。今日の聖書の個所にはそれと同じような光景が記録されています。一体何があったのでしょうか。

本論)

  1. こうして彼らは湖の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた。
    注)ここはガリラヤ湖の対岸のデカポリスという地方で、ユダヤ人は住んでいなかった。今日の場面で豚を飼う人々が登場する理由はそのためである。11節~14節
  2. イエスが舟から上がられると、すぐに、汚れた霊につかれた人が墓場から出て来て、イエスを迎えた。
    注)汚れた霊2節、レギオン(ローマ軍部隊の単位3000人~6000人)を宿していた人15節、悪霊につかれていた人18節、 彼らの持つ特徴は、人を支配し人の人生を破滅させる力を持っていること。そこの土地を大勢の集団になって支配し活動している。しかし、彼らはイエスを支配することができない。まだ、十字架と復活の前であり、彼らをただちに地獄に投げ込むことはされなかった。この場限りで2000匹の豚に乗り移ることを許された。
  3. この人は墓場に住みついており、もはやだれも、鎖をもってしても、彼をつないでおくことができなかった。
  4. 彼はたびたび足かせや鎖でつながれたが、鎖を引きちぎり、足かせも砕いてしまったからで、だれにも彼を押えるだけの力がなかったのである。
  5. それで彼は、夜昼となく、墓場や山で叫び続け、石で自分のからだを傷つけていた。
    注)悪霊の支配力が人の人生を破壊させる性格と恐ろしいほどの力を持っていることをあらわしている。
  6. 彼はイエスを遠くから見つけ、駆け寄って来てイエスを拝し、
  7. 大声で叫んで言った。「いと高き神の子、イエスさま。いったい私に何をしようというのですか。神の御名によってお願いします。どうか私を苦しめないでください。」
  8. それは、イエスが、「汚れた霊よ。この人から出て行け。」と言われたからである。
  9. それで、「おまえの名は何か。」とお尋ねになると、「私の名はレギオンです。私たちは大ぜいですから。」と言った。
  10. そして、自分たちをこの地方から追い出さないでくださいと懇願した。
  11. ところで、そこの山腹に、豚の大群が飼ってあった。
  12. 彼らはイエスに願って言った。「私たちを豚の中に送って、彼らに乗り移らせてください。」
  13. イエスがそれを許されたので、汚れた霊どもは出て行って、豚に乗り移った。すると、二千匹ほどの豚の群れが、険しいがけを駆け降り、湖へなだれ落ちて、湖におぼれてしまった。
    注)悪霊の支配が人の人生を破滅に向かわせていることをあらわしている。
  14. 豚を飼っていた者たちは逃げ出して、町や村々でこの事を告げ知らせた。人々は何事が起こったのかと見にやって来た。
  15. そして、イエスのところに来て、悪霊につかれていた人、すなわちレギオンを宿していた人が、着物を着て、正気に返ってすわっているのを見て、恐ろしくなった。
  16. 見ていた人たちが、悪霊につかれていた人に起こったことや、豚のことを、つぶさに彼らに話して聞かせた。
  17. すると、彼らはイエスに、この地方から離れてくださるよう願った。
  18. それでイエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人が、お供をしたいとイエスに願った。
  19. しかし、お許しにならないで、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰り、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを、知らせなさい。」
  20. そこで、彼は立ち去り、イエスが自分にどんなに大きなことをしてくださったかを、デカポリスの地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。

洞察)
今日の聖書個所から見えてくる真理:イエスキリストを知らない人々の2つの性格と特徴
1 人は自分が生まれた時からその土地にその土地に住む悪霊の支配のもとで暮らしている
特別な人の場合を除いて、本人はそれが当たり前のことのようになっており意識さえしていない。特別な人は周りから隔離される以外に、生きる場所がない。
キリストは悪霊に恐れられている。キリストは人々の汚れた霊をいやして悪霊たちから解放する力があり、神の愛と平安の中に生きる自由と喜びを与えるお方だからである。
2 人は生まれた時から神を愛することより、自分たちの収入と暮らしの安定を求めている
自分の収入や暮らしの安定が損なわれことを恐れて、神を避ける道を選ぼうとするのもわれわれの間では決して特別なことではない。むしろ人が真心からキリストを信じて救われることの方が不自然であり、人が自分の努力で汚れた霊から解放されることが困難であるのと同じくらい、あるいはそれ以上に困難な神の奇跡なのです。
新約聖書の第Ⅰコリント12章3節には、

「聖霊によるのでなければ、だれも、『イエスは主です。』と言うことはできません。」

と書かれているとおりです。

結論)
ですから、「その気にさえなればいつだって信じることができる。」とか、「いつでも救われる機会がある。」とは思わないでください。それは大きな思い違いです。
9月10日の記録的な大雨によって茨城県常総市の鬼怒川堤防が決壊した時に、逃げ遅れた住民を救出するために自衛隊15機、警察8機、消防6機、保安庁7機のヘリコブターが大活躍しました。救助された人々は避難勧告を聞いてはいても「まさかここまではかないだろう」、「まだ急がなくても大丈夫」と思って逃げる行動を起こさなかったという報告がされていました。
今日の聖書の個所からわれわれは何を学んだでしょうか。 われわれにとって、神の招きを受けた時がどれほど大事かということです。あわれみを求めて神に立ち返る決心をするなら、その時に神が恵みのわざを働かせて救い出してくださるのです。
そうです。キリストの招きのことばを聞くその時こそが、神の奇跡が起きるベスト・チャンスなのです。

メッセージ内容のダウンロード(PDF115KB)

新聖歌(会衆讃美)

開会祈祷後:341番、メッセージ後:202番

特別讃美(M.A姉)

ギター伴奏による独唱
「イエス わがすべて」 ステファン R アダムス:詞/曲
「悩む世人のために」 中田羽後:訳詞/RHパルマー:曲
「イエスその御名は」 和田美智子:詞/曲
「蜂と神様」「土」 M.A:曲/金子みすゞ:詞
「日毎主イエスを仰ぐとき」 Jピーターソン:曲/奥山正夫:訳詞
「あなたを慕い求める者は」 詩篇40:16:詞/作者不明:曲

お知らせ

★本日の午後から 9月度の定例運営委員会が行われます。
★10月2日(金)午前11時30分、EBSにおいて2015年度前期の終業式が行われます。

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