キリストに仕える者に

メッセージ

<マルコの福音書 9章30~37節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

だれでも人の先に立ちたいと思うなら、みなのしんがりとなり、みなに仕える者となりなさい。

<マルコの福音書 9章35節>

メッセージ内容

序論)
「赤ちゃんと脳科学」の著者の小西行郎氏は、その著書の中で「いつも看護師と一緒にいる未熟児が、面会に来た母親を見たとたん、泣き出してしまったことがあった。わが子に会うことを楽しみにしていた母親は大変ショックを受けたそうです。そこで小西氏は母親にも看護師と同じようにマスクをつけてもらうように進めてみました。すると赤ちゃんはピタリと泣き止みました。」と書いておられます。

赤ちゃんからするといつもと顔の特徴が違う女性をみて不安になって泣きだしたのでしょう。赤ちゃんの顔見知り、後追いなど育児は大変ですが、生後間もない赤ちゃんのこのような体験が、精神的な安定、安心感、周囲の人の感情を読み取る感覚の発達に大きく影響することが分かっています。赤ちゃんにとって自分の母親だと認知する大好きなお母さんに愛されることが幸せであり、とても重要なことなのです。

イエス様はひとりの幼子を大勢の大人たちの真ん中に立たせ、腕に抱き寄せて「だれでもこのような幼子たちのひとりを、わたしの名のゆえに受け入れるならば、わたしを受け入れるのです。」と言われました。
受け入れるとは、母親が子どもをわが子と認めて迎え入れる様をあらわしています。幼子にとって親に「受け入れられる」ことは、精神的・社会的・身体的すべての面において生死にかかわる問題です。

本論)
さて、イエス様ご自身の幼子時代のことを思い起こしてみましょう。誕生されたときには飼い葉おけに寝かされていました。宿屋の方では先に来た客たちが親しい友人や仲間と宴会をしていたかもしれません。しかし、幼子イエス様の家族には泊る場所さえありませんでした。それだけではありません。キリストが誕生したという噂を聞きつけたヘロデ大王は兵に命じてその周辺の幼子たちをみな殺しにしました。その難から逃れるために、両親は幼子イエス様を連れてエジプトに避難して行きました。そこでの暮らしぶりは現在の難民のようだったかもしれません。

今日の聖書個所に登場する「幼子たち」も、その時代の社会では価値のないもの、弱い立場のものとして扱われていました。キリストは目の前の大人たちに、その「幼子たち」を「自分に優る大切なもの」として迎え入れ、大事に扱うように語られたのです。そのことばの意味するものは、それまでの大人の都合中心・自分の利益中心の考え方を変えて、この世で価値のないと思われている人々、弱い立場の人々を受入れる覚悟をすることです。そうすることがキリストを受入れるのと同じことだと言われたのです。

どうして、弱い立場にある人々を受入れることがキリストを受入れることになるのでしょうか。実は、キリストを受入れる人は、自分が価値のないものであることを謙虚に認めている人です。それはただ単に、自分が罪深い人間だとか、弱くて愚かな人間だという理由だけではありません。幼子が母親を自分の母と認知するように、キリストを自分の救い主だと認知したときに、キリストがこの世で一番大事で大好きな人であることが分かるのです。
その瞬間から、キリストに愛されることが一番幸せという感覚が芽生えます。その感覚が発達し、さらに成長すると、自分から進んでキリストに喜ばれる人生を歩みたいと考えるようになります。キリストのしもべとして生きることが自分にとって幸せだと感じるように変わるのです。それが、キリストを受入れた人の心にあらわれてくる救いのあかしです。

ですから、キリストが言われるように、「幼子」を受入れる謙虚さが、自分のありのままの姿を認め、価値のないものを受け入れてくださったキリストと、心が一つに結び合わされるからです。

今もなお、自分の都合や名誉や自尊心を満たすために、自分のためになることだけを最優先して求めている人は、キリストのしもべとは言えません。その心がキリストと一つになっていないからです。

適用)
きょう、あなたの心がキリストと一つにされていること、キリストに愛されている自分の姿を思い起こしてください。人々の真ん中に立たされた幼子の姿と自分の姿とが同じであることを見出した人は幸いです。
キリストのしもべとして生きる幸せをしっかり掴んで離さないようにしましょう。

メッセージ内容のダウンロード(PDF60KB)

新聖歌

開会祈祷後:357番、メッセージ後:428番

特別讃美 聖歌隊

メッセージ前:
「望みも消え行くまでに」新聖歌172番
「朝静かに」新聖歌334番
「主と」新聖歌431番
「主にありて生くるとき」新聖歌406番
メッセージ後:
「神なく望みなく」新聖歌358番
「主はまことのぶどうの木」新聖歌332番
「行きて告げよあまねく」新聖歌437番

お知らせ

★本日は昼食の用意がありますのでご参加ください。
★上村姉から献金とお便りが届きました。
★教会のホームページに諸行事の記念写真が掲載されています。閲覧するにはパスワードが必要です。パスワードについて詳しくお知りになりたい方は牧師にお尋ねください。
★療養中およびご高齢の方々の平安と励ましのために祈りましょう。

2017年度前半の主な教会行事
6月04日 ペンテコステ礼拝
6月13日-15日 牧師研修会(能勢川キャンプ場)
6月24日 役員リーダー研修会
6月25日 讃美礼拝 Y兄姉による特別讃美

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