選ばれし神の宝の民

メッセージ

<詩篇135篇 1~20節>
牧師:徳本 篤師

開会聖句

今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。

<出エジプト記 19章5節>

メッセージ内容

序論)
あるキリスト教系大学の新入生に「あなたは自分がクリスチャンになってよかったと思うことがありますか」という意識調査が行われました。「良いことなんか何もない」という否定的な意見もあれば、「自分の将来が不安で辛かったのに、クリスチャンになったら確信と平安が与えられた。」とか、「多くのクリスチャンの友達に出会うことができた。」「性格が明るくなった。」などがありました。

「一緒に礼拝できるようになったこと」と応えてくれる人を探しましたが、ほとんど自分のことばかりだったので少しがっかりしました。一緒に礼拝できることがなぜ喜びなのか。その理由について詩編135編から語りたいと思います。

本論)
詩編135編4節に

「まことに、主はヤコブを選び、ご自分のものとされ、イスラエルを選んで、ご自分の宝とされた。」

と書かれています。聖書が「ヤコブ」ト呼びかけるときは、「アブラハム、イサク、ヤコブの神」という言い方がされるように、イスラエルの先祖ヤコブとして語られる時です。一方、「イスラエル」と呼ばれるときは、「ヤコブの家」すなわち、ヤコブの子孫です民族として語られる時です。神はヤコブに対しては彼の神として呼びかけられ、その子孫ですイスラエルには「神に選ばれた契約の民」として呼びかけられる時に用いられている。イスラエルには、慈しみ深い神の呼びかけに背を向けていた時代があった。自分の幸せ、自分の利益、自分の野心、それらが彼らの偶像となって彼らの目と耳を塞いでいたからです。

しかし、そうはしておれない事態が到来した。かつて12部族としてユダヤ南王国の同胞であったイスラエル北王国の人々がアッシリヤからの攻撃を受けたからです。
そして、AD723年、アッシリヤの猛攻によりイスラエル北王国の首都サマリヤはついに陥落した。その後においてアッシリヤが実施したイスラエル北王国撲滅政策によって、近隣のアラブ民族との混血を強いられることになった。かろうじてアッシリヤからの難を逃れた、ユダ南王国はさらに勢力を拡大しつつあるバビロン帝国の脅威にさらされながら、自分たちが「イスラエル民族」として生きる道を真剣に探し求めていた。

詩編135篇に繰り返される「主の御名」は周辺諸国に対して、特に混血となったイスラエル北王国に対して自分たちの独自性を主張するものでした。そして「主の御名」を呼ぶことは南王国の国民を奮い立たせて、自分たちが神に選ばれた契約の民ですことを強く意識することに意味があった。

ユダヤ人が安息日ごとに神殿に一緒に集まって礼拝をささげる行為は、「主の御名」に対する自分たちの忠誠をあらわし、主が先祖たちと結ばれた永遠の契約を記念として思い起こすことであった。彼らが主の御名を呼び求めるとき、主は彼らの神としてご自分をあらわしてくださるのです。

洞察)
さて、いつも聖餐式の時に読まれているように、十字架で流された血とからだはイエス・キリストによる新しい契約を記念して行われている。キリスト者がともに主の盃を飲み、主のからだですパンを食することはキリスト者が「新しい契約の民」ですことをあかしするものです。かつて、ユダヤでは割礼を受けた者だけが契約の民に入れられることになっていた。現在では、キリストを信じてバプテスマを受けた人々が新しい契約の民に入れられることになっている。

今日の詩篇135篇では、ユダヤ南王国の人々は自分の幸せ、自分の利益、自分の野心を追い求めて一緒に礼拝できることが自分たちの本当の幸せですことに気付いていなかった。ことが背景にあったことを思い出してみよう。新しい契約の民として、私たちの意識は彼らと比べてどのように違うのか、どこが違っているのかを考えてみよう。

応答)

「あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる。」 (エレミヤ30章22節)

あなたがたとはひとりだけの礼拝ではなく、ふたり以上の者が心をひとつにして一緒に礼拝する姿として表現されている。一緒に礼拝する人々とともに神が永遠の契約としてそこにともにいてくださる。

自分の幸せを求めることが決して悪いことではない。自分の利益を追求することが悪いことではない。自分の野心を追い求めることが悪いことではない。

しかし、それだけでは空しいことに今日気が付くことが大事なのです。一緒に礼拝することが本当の喜びとなるように、あなたの神の御前にひざまづき、あなたの忠誠をあらわしてください。

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新聖歌

開会祈祷後:170番、聖書朗読後:184番、メッセージ後:357番

詩編交読

詩篇122:1~9節

お知らせ

★本日礼拝後に聖歌隊の練習があります。午後から11月度定例運営委員会を行います。
★今週17日(火)午前10時30分から11月度の「オリーブ会」を行います。
★次週22日(日)讃美礼拝に木下裕子姉をお招きしています。当日の来会者のためにお祈りください。午後からムジカの練習を行います。

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