わが魂の救い主である神

メッセージ

<詩編146篇 1~7節>
牧師:徳本 篤師

開会聖句

幸いなことよ。ヤコブの神を助けとし、その神主に望みを置く者は。

<詩篇146篇 5節>

メッセージ内容

序文) 
詩篇146篇から150篇は「ハレルヤ詩篇」のシリーズとしてまとめられています。
それぞれの詩篇の違いは新約聖書の四つの福音書がそれぞれに違った視点から主イエスのご生涯をあらわすように、146篇は「唯一の救い主」、147篇は「愛と力の神」、148篇は「天地の創造主」、149篇は「栄光と力の神」、150篇「主を賛美する民」というように、主のご性質やみわざのそれぞれの特徴についてほめたたえるように構成されています。したがって今日の詩篇146篇は「救い主なる神」をほめたたえる詩篇ということになります。

本論)
この詩篇の最初に出てくる、ハレルヤの意味は:ハレル(ほめたたえる)ヤ/ヤーウェの短縮形です。
ヤーウェとは、イスラエルの神の名前をあらわします。出エジプト3章14節にその詳しい説明がなされています。神がモーセにご自分の名前を「わたしは『わたしはある』という者である。」と自己紹介された個所です。「ある」とは、ヤーウェの神が「あらゆるものの根源、永遠に独立した存在」であられることをあらわします。

神の御名について、出エジプト3章15節では

「神はさらにモーセに仰せられた。『イスラエル人に言え。あなたがたの父祖の神(エロヒーム)、アブラハムの神(同)、イサクの神(同)、ヤコブの神(同)、主(ヤーウェ)が、私をあなたがたのところに遣わされた、と言え。これが永遠にわたしの名、これが代々にわたってわたしの呼び名である。』」

というように説明が加えられています。

例えば私の固有名は徳本篤です。父母にとっては息子、妻にとっては夫、子どもとっては父、教会においては牧師です。それぞれの立場や関係によって呼び名が変わりますが、私という固有の存在は一つです。
同じようにヤーウェは神の固有名です。それが誰々の主と呼ばれ、誰々の神と呼ばれようとも、ヤーウェという固有の存在は一つです。 「あらゆるものの根源」、「永遠に独立した存在」である唯一の神です。

洞察)
イスラエル人にとってヤーウェという神の御名は自分たちの先祖の神であり、自分たちが存在する意味と価値そのものでした。ヤーウェの神の存在を否定することは、自分自身の存在を否定することになります。彼らにとって神の御名はそれほどに重要なものでした。

イスラエル人がハレルヤ(主をほめたたえよ)と神を賛美するとき、彼らは自分が主に属する主の民であることを意識していたことでしょう。彼らの賛美は、自分が主の民であるという誇りであり、主が選ばれた者であるあかしでした。神を賛美するとき、彼らのたましいは、自分たちの存在がそのような者であることを喜ぶとともに、自分たちが主ヤーウェとともにあるという揺るぐことがない希望と確信に満たされていたことでしょう。

適用)
さて、異邦人である私たちがイエスキリストを信じることによって救われ、神の民の交わりに加えられたということがヨハネの福音書1章12節、13節に書かれています。

「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。この人々は、血によってではなく、肉の欲求や人の意欲によってでもなく、ただ、神によって生まれたのである。」

従って、私たちが賛美するときも、イスラエル人と同じように主の民であるという自覚をもって、その信仰と確信を大胆にあかしすべきです。私たちがひとつである証拠はこの確信と信仰においてのみそうなのです。

応答)
ところで、今日の説教主題は「わが魂の救い主なる神」でした。詩篇146篇3節から10節までには具体的な救いのみわざについて賛美されています。 私たちはこの作者のように賛美できるでしょうか。

確かに、私たちの現実の生活に目を置くと、この世の中には様々な不正や苦悩、悲しい出来事が多く見られます。それは私たちの神がこの世にあって何もできない弱い方であり、天と地を創造された方の計画は失敗だったということでしょうか。

私たちは今日のみことばからしっかりと悟るべきです。聖書は死ぬべき人間に頼ることの限度を明らかにしています。人はどんなに理想的なこと、立派なことを約束しても、彼が死んだその日に、彼のすべての計画は消滅してしまうものです。

聖書は、私たちが現実の厳しい生活の中においてもヤーウェなる主の恵みとあわれみに目を置くべきだと諭します。あらゆる出来事があっても、それを神が与えてくださる救いの機会となることを期待すべきです。

どんな時でも失望しないで、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である、生ける主ヤーウェの御名をほめたたえましょう。主の民である私たちはそのように賛美し、主の御名によって主のみこころが私たちの住むこの地のうえに実現されることを確信と忍耐をもって期待し続けるのです。 ハレルヤ。

メッセージ内容のダウンロード(PDF121KB)

新聖歌

開会祈祷後:28番、聖書朗読後:35番、メッセージ後:426番

聖書交読

詩編37:1節~9節

お知らせ

★礼拝後に聖歌隊の練習を行います。
★本日午後から2月度の定例運営委員会が開かれます。年次総会の資料作成も同時に行われます。
★次週28日(日)の主日礼拝は聖歌隊の奉仕により讃美礼拝の形式で行われます。

#50-2597

Comments are closed