造られし者よ主を賛美せよ

メッセージ

<詩篇148篇 1~14章>
牧師:徳本 篤

今日のみことば

知れ。主こそ神。主が、私たちを造られた。私たちは主のもの、主の民、その牧場の羊である。

<詩篇100篇 3節>

メッセージ内容

序文)
詩篇148篇の解き明かしをする前に、聖書の世界観(宇宙観)について触れたいと思います。
第Ⅱコリント12章1節~4節において、パウロが「第三の天」にまで引き上げられた記録があります。これは三層の構造をした天があるのではなく、人間の肉眼では見ることができない霊的な世界のことです。

聖書の中に「第三の天」を目撃した人物として、イスラエルの族長ヤコブと使徒パウロのことが記録されています。神の特別なみこころによって選ばれたこの二人には「第三の天」という無限の世界、目には見えない神の世界が開かれました。そこでは神の世界と人間の世界とが互いにつながり合い、天から豊かな祝福が地に注がれている有様が見えました。ちなみに第一の天とは、これも人間の肉眼には見ることができない暗やみの世界のことです。聖書では地獄とかゲヘナと呼ばれています。残る第二の天は、人間の肉眼で見える世界のこと、現在私たちが生きている自然界と呼ばれる世界です。

最初に「第三の天」に目が開かれたヤコブは、人間として完全なところがなく、未熟な若者でした。目の不自由な父イサクをだまして兄エサウが受け継ぐべき相続権を横取りしました。そのため兄から命をねらわれて遠い未知の土地へと逃げていく旅の途中で、住む人もいない荒れ野で神はヤコブに驚くような体験を与えられたのです。それは天地をつなぐ梯子の上を御使いたちが昇り降りする様子でした。

次に、「第三の天」を見させられたのは使徒パウロです。パウロは同族であるユダヤ人に妬まれ、迫害の最中で命を奪われそうになることを体験しました。迫害した人々は彼が死んだと思って立ち去ったその時、神はパウロの目を開いて、彼に「第三の天」を見させてくださったのです。パウロはパラダイスを見ただけでなく、そこで天の御使いや先に召された人々が語っていることばを聞きました。
パウロは「イエス・キリストを信じる人が滅びないで永遠のいのちを持つようになる」というキリストの福音を人々に宣べ伝えておりました。「第三の天」で彼が見たこと、聞いたことは、彼が苦労しながら宣べ伝えているキリストの福音がまさにその通りであることのあかしでした。

イエスご自身もこのように語っておられます。

「まことに、まことに、あなたがたに告げます。天が開けて、神の御使いたちが人の子の上を上り下りするのを、あなたがたはいまに見ます。」(ヨハネ1章51節)

本論) みことばは神の設計図
詩篇148篇は、自然界のすべてのもの、全被造物が神を賛美することを奨励する内容です。その順番に注目すると、初めは天上から地上へ、そして自然環境から生物へ、さらに最後には人間に向かってという順番に呼びかけられています。すべて造られたものは創造者である神を賛美しなければなりません。神こそがすべての創造者であり、すべてのものを力ある御腕で支えておられるからです。

Ⅰ 天における賛美  「第三の天」での賛美 1節~6節
1節、2節 人間の肉眼では見ることのできない第三の天において、そこにあるいと高き主の御座において主を賛美するように促しています。黙示録には、おびただしい数の御使いが、父なる神と御子キリストを賛美し、礼拝をささげている情景が描かれています。

「また私は見た。私は、御座と生き物と長老たちとの回りに、多くの御使いたちの声を聞いた。その数は万の幾万倍、千の幾千倍であった。彼らは大声で言った。『ほふられた小羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。』」(黙示5章11節~12節)

3節~6節 イスラエルの先住民のカナン人は月や星などの天体を偶像として拝んでいました。詩篇の記者はそれら天体のすべてがそれを創造された神をたたえるものであることを強く意識し、主への賛美を促しています。 いのちの無い無機質な天体に主をほめたたえるように促すことは、理屈に合わないと思われますが、ダビデは詩篇の中で大宇宙に瞬く星空の輝きを見上げるときに、神の創造のみ業が聞こえてくると語っています。

「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。昼は昼へ、話を伝え、夜は夜へ、知識を示す。話もなく、ことばもなく、その声も聞かれない。しかし、その呼び声は全地に響き渡り、そのことばは、地の果てまで届いた。」(詩篇19篇1節~4節)

Ⅱ 地における賛美  「第二の天」での賛美 7節~13節
7節 大地も主をほめたたえ、さらに下がって海、さらに海底や深い淵までもが主を賛美することを促されています。すべてが主によって造られたものです。どこにおいても主の栄光は輝きあふれています。
「海の巨獣」とは、聖書に竜をあらわすレビヤタンの名前も出てきますが、具体的には不明な生き物です。海の巨獣とは人間には決して制御できない巨大な力を持つものの象徴です。そんな巨獣でさえ、主はいとも簡単に支配されているということを、ヨブ記の41章には語られています。
8節~9節 これら私たちに恐れを抱かせる自然界の現象は、主が私たちに強く語ってくださる声のようです。地上にあるすべての生き物に対して、その小さい生き物に至るまで、主は賛美を促しておられます。
11節~13節 最後は人間に対して与えられた命令です。賛美するのは王だけではありません。すべての国民も、すべてのさばきづかさも、老若男女すべてが主を賛美するように促されています。この世界の終わりの時に、ただ主の御名だけがあがめられて、世界が一つにされることが起こります。

応答)
聖徒たちの賛美 14節
14節 この詩篇148篇の最後には、ご自分の民である聖徒たちに対して語りかけられます。
主は全世界にあるすべての被造物を守り、支配されている方ですが、つねにご自分のそば近くに置かれているのは主がこよなく愛される聖徒たちです。私たちが持っている最大で最高の特権というのは、実にこれなのではないでしょうか。主が自分のそば近くにおられるという実感は、神を知らない他の人々には決して味わうことができないものです。

従って、主の聖徒である者はみな日ごとに主をあがめ、信仰の友である兄弟姉妹たちとともに集まり、心を合わせて主を賛美するために召されています。そのことは最高の喜びであり、大いなる祝福の時です。
高く上げられた「角」とは、王のこと、すなわちやがてダビデの子孫として来られる神の御子イエス・キリストを指し示しています。そのキリストを中心とする聖徒たちの群れ、すなわちキリストの教会でささげられる賛美は、神にとっていかに喜ばしく、どれほど好ましいものでしょうか。

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新聖歌

開会祈祷後:22番、メッセージ前:49番、メッセージ後:448番

お知らせ

★礼拝後に3月度の聖餐式を行います。
★今週15日(火)午前10時30分から3月度のオリーブ会を行います。
★本日午後3時より福音聖書神学校の卒業式が行われます。卒業生は他団体からの本科生のR.Y兄です。
★今週19日(土)大阪CGCにおいて教団協議会が行われます。

#50-2600

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