イエスの新しい戒め

メッセージ

<ヨハネの福音書 13章31節~38節>
信徒:K

開会聖句

あなたがたは真理に従うことによって、たましいを清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、きよい心で互いに熱く愛し合いなさい。

<ペテロの手紙第一 1章22節>

メッセージ内容

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 メッセージ原稿を公開しました。 
 

<はじめに>  
・前回はイエスさまが12弟子を最後まで極みまでも愛されたという話。イエスさまは弟子の足を洗いながら、ユダに働きかけますが、彼はやはり裏切ります。弟子は11人になりますが、後に一人を加えて12という数に戻しました。またこの話で恐縮ですが、「鎌倉殿の13人」の13人。これは鎌倉殿の急死後、幕府を支えた武士の数だろうと言われてました。当初は、側近5人でというのが、「俺も俺も」と言う人たちが加わり、13人まで増えました。ところが最終回に、視聴者の予想が外れていることが明らかになります。最後の場面で、主人公が謀反を口実に、自分が手にかけた武士たちの名前を次々挙げていったら13人でした。13は北条家中心の幕府のために消された人の数でした。大変血なまぐさい話ですが、強力なリーダーが不在になると、その集団は混乱し、不安定になり、争いが起こるのが世の常です。今日の場面で、イエスさまは自分がいなくなる直前に、残される弟子たちに新しい戒めを与えられます。それは、不安定で混乱するような事態への配慮であり、イエスさまの使命を受け継ぐためにとても重要なことでした。今日の主題は「イエスさまの使命」です。

<本論>
Ⅰ.イエスさまの使命は新しいイスラエルをつくること

イエスさまは弟子たちの足を洗ってから、食事の席に戻り、パン切れを浸してユダに渡されました。それは彼への特別な好意を示す行為でもありました。イエスさまは最後までユダの心に働きかけられたのですが、ユダは心を閉ざし、裏切りの実行に移ります。

30節「ユダはパン切れを受け取ると、すぐに出て行った。時は夜であった。」

そのドアが閉まって、今日の箇所が始まります。

31~32節「今、人の子は栄光を受け、神も人の子によって、栄光をお受けになりました。…しかもすぐに与えてくださいます。」

イエスさまの十字架への時間が動きだしました。そして

33節「子どもたちよ。わたしはもう少しの間・・・わたしが行くところに、あなたがたは来ることができません。」

と言われます。 イエスさまは今まで2度ユダヤ人たちに、自分は誰も来ることの出来ないところに行くと話されていました。ユダヤ人たちはギリシャ人のところに行くのか、自殺するのかと煙に巻かれたようでしたが、今回は弟子たちに向かってハッキリ言われました。そして34~35節で新しい戒めを与えられます。弟子たちはイエスさまと別れるなど、考えたこともないのですから、ペテロは

37節「主よ、どこにおいでになるのですか。・・なぜついて行けないのですか。あなたのためならいのちも捨てます。」

と即答します。新しい戒めは全く無視で、耳に入っていません。他の弟子たちも同じでしょう。

そもそも、イエスさまは他にも多くの弟子たちがいたのに、なぜ12人を限定して選ばれたのでしょう。12という数字はイスラエル12部族を連想させるものです。ペテロたちは12部族の出身?否、殆ど消滅しています。イエスさまが思い描くのは、出エジプトの出来事です。エジプトで400年間、異教文化に浸り、奴隷の生活が染みついていた先祖たちは、神の契約の民として新しく生まれ変わる必要がありました。彼らがふさわしく整えられるために、モーセは神さまの命令に従い、イスラエルの12部族から1人ずつリーダーを選びました。イエスさまはこの前例を意識されたのだと思います。つまり、イエスさまはあれから1400年経って、もう一度新しいイスラエルを作ろうとされたのです。それがイエスさまの使命です。なぜなら、古いイスラエルは神さまの目的、神さまの栄光を世に現わすことができなくなっていたからです。

確かにエルサレムの町は繁栄していました。しかし、それは見かけ倒し。葉っぱは茂っていたけど、実がなかったいちじくの木のよう。町のシンボル、神と人が出会う場所である神殿はヘロデが何十年もかけて建設したもので、

「先生、ご覧ください。なんとすばらしい石、なんとすばらしい建物でしょう。」(マルコ13:2)

と弟子たちが驚いたほどです。その外観の立派さは、ユダヤ人たちだけでなく、異邦人をも惹きつけ、彼らが祭りで使うお金は神殿を維持している祭司一族(親ローマ派)の支配者層を潤していました。神殿には多くの利権が絡んでいます。パリサイ人のような宗教家はローマ支配のもとで、選民としての民族意識を守ろうと律法を守ることを熱心に教えました。彼らも神の民の維持のために大変熱心でしたが、方法が行い中心の自己満足的なものでしたから、それが行えない弱い立場の人たちを排除することになりました。同じく、神の民を整えようと現われたのがバプテスマのヨハネです。彼は、「主の道をまっすぐにする者」です。熱い預言者で、堕落した神の民に裁きを伝え、悔い改めを求めました。イエスさまは彼の後継者でしたが、ヨハネが「本当に私が紹介するのはあなたですか」と疑うほど、不思議な働きをしておられました。「神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」の第一声は同じでしたが、裁きを語るよりも、何であんな人のところにというような人たちと食事をし、いやしや赦しを伝えておられました。イエスさまは独自の方法で、新しいイスラエルを作り始められました。イスラエルを新しくする。これがイエスさまの使命です。

Ⅱ.新しいイスラエルは互いに愛し合う共同体

イエスさまのことを、心の優しい人、愛の人、優れた人格者だと多くの人が評価します。しかし、それは不十分な評価で、イエスさまは神さまの祝福が届いていない人たちの必要を満たすことで、天の父の憐れみを示された神のひとり子です。裁きを語るより、人々に父を説き明かされました。神さまの憐れみを体験させることで、神さまがどのような方かを教え、人々の心を神さまの支配に向けさせ、神の憐れみに生きる新しいイスラエルを作ろうとされました。赦しがあって、私たちが信じ救われたように、神さまの憐れみが先だってあります。その憐れみをイエスさまを通して側で見聞きしてきたのがこの弟子たちでした。イエスさまは、ご自分の使命を、これからは弟子たちに託すのです。

34節「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」

という戒めは12弟子への引き継ぎ事項で、

35節「互いの間に愛があるなら、それによって、あなたがたがわたしの弟子であることを、すべての人が認めるようになります。」

だからです。イエスさまが去った後、新しいイスラエルの核となっていくことが、弟子たちが引き継ぐ使命でした。この後、不用意に口走ってしまうことのあるペテロが「あなたのためにいのちを捨てます」と大口を叩き、イエスさまに「あなたは3度わたしを知らないと言う」とたしなめられます。実際、そのとおりの大失態をこのリーダーはやらかしました。又、もうすぐ1人の弟子の裏切りが発覚します。今までになかった緊張やざわついた空気が弟子たちの間に生まれ、今後、互いの落ち度を責めたり、衝突したり、今までのようなイエスさまと弟子たちの一体感に影を落とすことが予想できます。

教会は外では迫害、内では争いや分派という問題に出会います。イエスさまの存在がわからなくなって、教会が困難に陥ることはよくあることです。お互いが信頼できなくなり、疑いが起こり、関係に亀裂が入ります。肉体と同じように健全な時病む時があります。この命令には「互いに(アレロン)」が3度強調されています。このことば、パウロの手紙でお馴染みですね。

「互いに人を自分よりまさっていると考えなさい」(ローマ12:10)
「「互いに一つ心となり」(同12:16)
「互いの重荷を負い合い」(ガラテヤ6:②)
「愛をもって互いに忍び合い」(エペソ4:②)

ヤコブ、ペテロの手紙を含めて20回以上使われています。私たちは少し離れた人は愛しやすい。近ければ、近いほど愛しにくい。世界の人を愛するより、隣にいる人を愛する方が難しい。同じ共同体に属する人ほど、愛することは難しい。しかし、「互いに」と聖書は強調します。互いに愛するところには、イエスさまの愛が実現し、赦し、和解、尊ぶ心があります。
今日の開会聖句は、ペテロへの手紙第1:22を選びました。他に

「「不平を言わないで、互いにもてなし合いなさい。」(同4:9)
「みな互いに謙遜を身につけなさい。」(同5:5)

と、彼は短い手紙の中で3度このことばを使っています。ペテロのことばを選んだのは、それが、ペテロの取り返しのつかない苦い体験から生まれてきたように思ったからです。パウロもそうです。クリスチャンを迫害した人物でした。彼らはもちろんイエスさま直々の赦しを経験しましたが、仲間たちの間で赦しという愛を経験した人なのです。イエスさまが去った後の初代教会の前進は、熱心な宣教の働きの成果でしょう。そこには忠実にイエスさまのこの教えを守った弟子たちの姿があります。互いに愛し合うところに、イエスさまがおられる証があるのです。

<終りに>

そういうわけで、私たちは新しいイスラエルで、新しい神の民は愛の共同体です。互いに愛することは自然ではなく、面倒で、厄介なことですが、そこにイエスさまの証があります。「わたしが愛したように」を見失わず、互いに愛し合っていきましょう。

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新聖歌

開会祈祷後:27番、メッセージ後:146番

聖書交読

詩編138篇 1~9節

2023年教会行事

3月1日(水)オリーブいきいき百歳体操(10時~11時)

#55-2857

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